ホイアンの旧家 タンキー家

タンキー家は約200年前に広東省出身の中国人によって建てられ、ホイアンの代表的な旧家です。

今は7代目の当主が住んでいます。鰻の寝床のような奥行があるタンキー家は一方の出口が川に面しています。ホイアンでは毎年10月頃から洪水がよくあり、その時必ず浸水してしまいます。現在中には天井近くまで浸水した痕跡も残っています。タンキー家と同じで、川に近い他の家はほとんど2階建てで、洪水の時に2階に荷物を運びあげることができるような構造になっています。狭く奥に長い造りは他の古い家でも珍しくないです。

タンキー家のドアの前には、「ドア目」という赤い絹の肩かけの精巧な丸い木彫りがあります。この「ドア目」はホイアン旧市街にある家の特徴的で、この世のすべての物に魂は宿るという昔の人々の考えから作られました。現在ホイアンではそいう「ドア目」は丸、四角、竜、菊等の形で日本橋でも見かけます。入り口はかなり狭いですが、中に入ると柱に描かれている飾り文字や亀甲形の天井等の優美で見事な装飾を見ることができます。先祖を祀る祭壇も高い所です。

日本、中国、ベトナムの建築様式が巧みに調和されているこの家は、ホイアンの歴史が感じられる素晴らしい家です。1985年にタンキー家は文化省から文化遺産として登録を受けていました。